RYZEN 5 1600X/1500Xレビュー – メインストリーム領域でCore i5とタメを張れるか

3月発売されたRYZEN 7に続き、RYZEN 5も発売になった……と書こうとしていた矢先に、RYZEN 5 1500X/1400の発売延期が発表されてちょっと出鼻を挫かれた感はあるのだが、とにかく4月11日の午後10時にRYZEN 5 1600X/1600が発売になる。これに先立ち評価キットを借りることができたので、性能レビューをお届けしたい。今回は特にアーキテクチャで新情報はないので、座学パートはなし。ベンチマーク結果のみを紹介したい。

評価機材の紹介

今回AMDから借りたのは、RYZEN 1500X/1600Xである(Photo01)。CPUパッケージは、外形では全く区別がつかずに、シルク印刷でそれと分かるだけだ(Photo02)。CPUクーラーは、RYZEN 1600Xと一緒にWraith Maxも届いたので、こちらをテストでは利用している(Photo03)。ちなみにRYZEN 1500XにはWraith Spireが同梱されていた(Photo04)。

Photo01:これはWraith Spireを同梱したRYZEN 1500Xのパッケージ。RYZEN 1600Xはクーラー無しの薄型のものが届いた

Photo02:なんとなくRYZEN 5 1600Xの方が印刷が薄いというか、ややコントラストが低い感じになっていた。とはいえ実用には何の問題もないが

Photo03:騒音の方はWraithの名前がついているだけのことはあり、フル稼働時でも音程は低く、それほど耳障りではなかった

Photo04:意外に高さがあったWraith Spire。ネジ止めになっている関係で、利用の際にはマザーボード側のクーラー取り付け金具を取り外す必要がある

CPU-Zを使ってそれぞれの結果を見たところ、面白い事が分かった。Photo05はRYZEN 5 1600Xのもので、6コアのプロセッサとして見えている。L2は8MB×2のままで、Intelと違いコア数に合わせて削減はしていないようだ。

Photo05:左下の"Selection"がDisableになっていることに注意

問題はRYZEN 5 1500Xの方である(Photo06)。よく見るとProcessor SelectionがEnableになっており、Processor #1は2core/4threadと認識されている。そしてProcessor #2がやはり同じ構成だと示されている(Photo07)。

Photo06:そしてL3キャッシュは8MBが1つだけである

Photo07:普通に考えれば、RYZEN 7のそれぞれのCore Complexの中の半分を殺した形で構成されているのだろうが、それにしてもどうしてこういう認識になるのかは謎である

これはCPU-Zが何かしら誤認識しているのか、それとも論理的にそう見せているのかまでは判断できないが、とりあえず筆者の手元に届いたものは2+2の構成になっていることは間違いなさそうだ。とりあえずWindows 10からはごく普通に4コア/6コアプロセッサとして認識された(Photo08と09)。

Photo08:RYZEN 5 1500X。ちゃんと論理8コアで認識される

Photo09:RYZEN 5 1600Xは論理12コアになっているのが分かる

さて、RYZEN 5はメインストリーム向けということで、マザーボードもX370ではなくB350が搭載されたGIGABYTE AB350-GAMING 3が届いた(Photo10)。

Photo10:4月11日におけるAmazonの価格は14,771円となっている(Amazon Prime対象)

Gamingといいつつも、手ごろな値段ということもあり、オンボードデバイスなどはそこそこといった感じである(Photo11と12)。一応Socket AM4対応ということでDVI及びHDMI端子は用意されているが、もちろん現在のRYZEN 5では利用できない(Photo13)。SATAポートの配置は、2ポートずつ向きが違っているのがちょっと面白い(Photo14)。電源は7way構成になっていた(Photo15)。

Photo11:上の方の"Designed in Taipei"がちょっと目を引く。PCIeはx16スロットが3本、x1スロットが2本。M.2のソケットは1つあるが、ちょうどPrimary PCIe x16スロットの真下なので、グラフィックスカードの発熱で焙られることになりそうなのがやや不安

Photo12:CPUクーラーのリテンションの中央、CPUソケットの増したにパスコンの山が集積されているのが分かる

Photo13:シンプルではあるが、普通に使うにはこの程度あれば十分という気もする

Photo14:オンボードSATAコントローラ経由で2ポートが用意されるので、合計6ポートのSATAが利用可能

Photo15:もっともRYZENの場合、RVDDに0.9Vを供給すればよく、電圧変動に関しては内部のLDOで調整するから、Intelの場合と異なり外部に高速追従を目的とした電源は必要無いという話もある。現実問題、LN2オーバークロックでもするのでない限り、これで十分だろう

マザーボードはB350搭載モデルを用意

メモリであるが、今回はGEILのEVO X DDR4-3200 8GB×2(Photo16)を利用した。実はこれはAMDの指定構成であり、GIGABYTE AB350-GAMING 3の場合はこれをDDR4-2933 CL16(16-18-18-18-36)に設定して使うことが明示されており、ほかのメモリあるいは設定は許されていない。

Photo16:ちなみにRGB LED対応であり、そのためのケーブルまで付属しているが、今回は光らせずに使った

これは対抗する製品にも関係してくる。今回はCore i5-7500及びCore i5-7600Kを対抗製品としてPickupした(これもAMDの指定である)のだが、マザーボードはB250を搭載したものであることが要求されている。

AMDの意図は簡単で、RYZEN 5 1600XはCore i5-7600Kが、RYZEN 5 1500XはCore i5-7500がそれぞれ競合であり、同じくB350チップセットはB250チップセットと競合するので、それを使って欲しいというのはわかる。しかし、これは表向きの話のように思える。Z270以外のIntel製チップセットでは、仕様上DDR4-2400が最大のメモリ速度となるが、AMDのB350チップセットはそうではない。したがって、DDR4-2933でちゃんと動作する。このメモリの帯域の違いを生かして「少しでも性能差を確保したい」という意図の表れとしか筆者には考えられない。

もちろん、製品仕様で考えたらその通りだが、そもそもRYZEN 5+B350マザーを利用するユーザーが、DDR4-3200メモリなんぞ買うか? と思わなくも無い。その意味でも、本来であれば今回は普通にDDR4-2400あたりのメモリを使っておくべきだと思う。

今回B250マザーとしてはMSIのB250M MORTARを選んだ(Amazon.co.jpでの価格は13,685円)が、B350と同じ14,000円程度でも良いのであれば、同じMSIのZ270 PC Mateが同程度の価格で発売されているわけで、どうせGEILのメモリを使うなら、マザーもこちらにすべきだと思う。

ここまでしなくても素性がいいのだから、可能な限り同じ環境でテストさせればその評価がきちんと定まるのに、こういうトリッキーな条件をつけるので、結果が怪しく見えてしまうのは、長期的にはAMDのためにならない気がする。

そんな訳で今回はテスト環境がやや変な感じだが、これは筆者の意図するところではない。今回はメインストリームクラスなので、グラフィックスカードもRadeon RX 480で十分であろうと判断した。当然ながら4Kでフルにプレイするには結構厳しいが、Full HD~1440pあたりまでであればこれで十分だし、RYZEN 5のターゲットとしても手頃だろうと判断してのことだ。

そのほかのテスト環境は表1に示す通りである。Windows 10のCreator Updateも本日あたりから大々的に配信されるが、これを入れて問題が出てしまうと時間的に厳しいので、今回はまだVersion 1607のままとしている。また、AMDは米国時間の4月6日にRYZENに最適化したWindows 10用の電源プランを提供し始めたが、今回は利用していない。

■今回のテスト環境
CPU Core i5-7600K
Core i5-7500
RYZEN 7 1600X
RYZEN 7 1500X
M/B MSI B250M MORTAR(BIOS 2.10)GIGABYTE GA-AB350-GAMING 3(BIOS N3)
Driver Intel Chipset Software V10.1.1.38Windows 10 Inbox Driver
Memory GEIL EVO X DDR4-3200 8GB×2(GEIL416GB3200C16DC)
Video AMD Radeon RX 480 8GB Reference
GPUドライバ Crimson ReLive Edition 17.4.1
Storage Intel SSD 600p 256GB(M.2/PCIe 3.0 x4) + WD WD20EARS 2TB - Windows 10
OS Windows 10 Pro 64bit 日本語版 Version 1607 Build 14393.953

さて、次ページ以降で実際のテスト結果を見てみたい。ちなみにテスト結果は基本的にRYZEN 7と似ているが、時間の関係もあり、一部のテストは省略したほか、内部解析は行わないので、RMMAはなしである。

ベンチマークテスト「Sandra Platinum」

引用元:この記事を読む

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